ジューちゅ飲みたいなー
娘はジュースが大好きである。
特にリンゴのジュースが大好きだ。
こっちが止めないと本当に際限なく飲んでいる。
一時期ジュースの量を厳しめに制限していたが、ダメだと言うと、言葉にするのが後ろめたいくなるけど、飲みたい衝動は抑えきれなくて、指を刺すだけとか、かんしゃくを起こしたりとかする頻度が多くなるような気がしたので私はたまに、「ママには内緒だよ」と言ってこっそりあげるようにしている。
当然妻がジュースを制限することには意味があって、ジュースを飲むと元々少食な娘はごはんを食べなくなってしまう。
ただ、あんまり制限をかけて「ダメなものはダメ」という認識になってしまうのはいかがなものかとも思っている。
大人になると各方面から制限をかけられた状態からうまく切り抜ける方法を考えないといけない時がきて、それがアイデアの力だったりデザインに力だったりする。
ダメ、という状況から思考を巡らし、こういういいかただったらダメじゃなくなるんじゃないか、こういうタイミングでアプローチしたらいいんじゃないか、などの最初ダメであっても「抜け道」を探そうとする力は必要だと思っている。
私は育児のセオリーなんて全くわからないが、なんとなく両親ともに言うことを揃えることがセオリーのような気がする。
ましてや発達障害の疑いのある娘にとって両親の言うことが違うと余計な混乱を招いてしまうような気がする。
それでも法を犯す、生命を脅かすことではない、ジュースを飲む、飲まない程度のことに絶対はないということも伝えたいと思っている。
そんな思いが伝わったか伝わってないかはわからないがこんな出来事があった。
娘がジュースをねだるときはだいたい口で
「ジューちゅー」というか、
指を指すか、
冷蔵庫まで私の手を引っ張って連れていくかのどれかになる。
そして今回はまた新しいアプローチをしてきた。
第二子の娘を妻が寝かしつけていて、私と娘がリビングで2人きりになったとき、おもむろに私のそばに寄ってきて、
「ジューちゅ飲みたいなー」
と私に言っているとも、独り言ともとれるような言い方だった。
思わず私は笑ってジュースをコップに注いで娘に渡した。
そんな言い方をどこで覚えたのかと思うと、たぶん妻が私にいう「コーヒー飲みたいなー」から学んだんだと思う。
妻が普通に「コーヒー淹れて」と言うと私はめんどくさいので、
「授乳中に飲んじゃいけないよ」
(もちろんカフェインレスを飲んでいるのは知っている)
とか
「夜飲んだら眠れなくなっちゃうよ」
(もちろん以下略)
とかいっててきとうにはぐらかすことがある。
その中でも私がコーヒーを淹れる率が高い言われ方が「コーヒー飲みたいなー」になる。
言うことを聞かない旦那を動かす、妻なりのライフハックなのか、私はこの言い方でよくコーヒーを淹れる。
娘もその行動をみていて、「コーヒーというものは何かわからないが、飲みたいなーと言うとパパがコップに何か入れて持ってきてくれる確率が高い」とでも思ったのかもしれない。
この言い方が正しいか、正しくないかは置いておいて、人の観察をして、学習をして、実践している娘をみて、成長が感じられたことに、とても嬉しく感じた。