家族日記

海辺に住みたいロマンチストの主人、とろ。堅実に生きたいお嫁、まあこ。天真爛漫ベイビー、娘のしーこが、すい臓、腎臓、肺に病気がみつかった犬のケンプーと共に寄り添い奮闘するも、2019年6月28日に永眠。旅行、アウトドア、釣り、キャンプ、BBQ、DIYなんかをやりながらなんとか家族で立ち直っていくブログです。

突然の別れ その3

目が覚めた。

 

昨日ケンプーが死んで、私は深酒をして倒れこむように寝たが、目が覚めた時、昨日の一連の出来事は悪い夢ではないかと一瞬期待をしたが、私の枕元で背を向けて、花に囲まれて寝ている息子をみて「ああ、やっぱり事実だったんだな」と私の儚い気持ちはすぐに散っていた。

 

 

おはようと声を掛け触ってみると、昨日に比べてだいぶ冷たくなっていた。腐らないように保冷剤をいれたり、エアコンの温度をいつもより下げて設定していたというのもある。

昔、何度か動物の死に立ち会ったことがあるのだが、この動物が冷たくなっていく感じは全く慣れない。幸い人間や動物の死に頻繁に立ち会ってないせいか、これらは「当たり前のようにぬくもりをもっているもの」と脳みそに刷り込まれている。それが冷たくなっていると自分の固定概念を揺るがす猛烈な違和感が生じ、それがそのまま悲しみとして変換され襲い掛かってくるような気がしている。

 

とは言え、ただ悲しみに浸っていられるほど暇ではないのも事実である。

明日にはケンプーを葬儀場にもっていって火葬することにした。

ということは生身のケンプーにあえるのは今日まで、ということになる。

息子の最期にお義母さんも来てくれることになっている。だがお義母さんが来てくれるにはケンプーの寝床はあまりにワイルド過ぎた。ケンプーの寝床は洗濯物なんかがかかっているハンガーラックの下の空いている隙間であって、昨日の一連の騒動もあって(主に私が暴れたからであって)きれいな洗濯物も、使用済の洗濯物も、布団類もいっさいがっさいがぐちゃぐちゃな状態なので、まずは片付けをすることに専念した。

 

片付けが終わってからは買い物に行った。

闘病中にお世話になった動物病院になにかお礼の品を買いたくて買い物に行った。

私はいろいろばたばたしていて数ヶ月伸ばし放題だった髪を切った。ケンプーの最期にはきれいな姿でいたいと思った。

帰り際に花屋に寄った。供える花を増やそうと思った。ケンプーの笑顔をイメージしたひまわりをたくさん買った。

帰宅後お義母さんがきた。私なんかより全然付き合いが長い分悲しみもさぞ深いだろう、急な日程でも来てくれて嬉しかった。

お義母さんが帰った後、2つの動物病院にいった。さっき買ったお礼のお菓子と、トイレシートやら開封して20粒しか食べなかったドッグフードやらケンプーがいなくなることに消費することができなくなった消耗品を持って行った。どちらの病院でも愛護団体なんかに寄付するようなことを言っていたので、使わなくなったら動物病院にとりあえずもっていってみるというのもいいかもしれませんね。

 

そして今夜も酒盛り。ケンプーのお別れ会。昨日私が飲みすぎてしまった分、お嫁が良く飲んだ。そしてよく寝た。

 

私は寝られなかった。

あの日の夜ほど、次の日の朝が来るのが嫌だと思ったことはなかった。

それからしばらく軽い不眠症になった。

 

その4に続けます。